さて,イギリスは明日が総選挙.まあ保守党が議席を伸ばして労働党が減らすのは明らかだけど,直前の支持率の変化をみると,意外と労働党が粘り強くて(ブラウン首相の例の失言にもかかわらず!),飛ぶ鳥を落とす勢いだった自由民主党(LibDem)が伸びが止まっている感じ.むむむむむ…………さらに小選挙区制だから得票率がそのまま議席数に反映されるわけでもないうえに,3-4割(!)の有権者がまだ迷っているということなので,正直,明日の開票まではどうなるかよくわからない.


ただどの党も絶対多数を確保するのはほぼ無理っぽいから,連立内閣およびそれに近い形での政党間の協議が進むはずだけど,Lib-Labか,Lib-Conか.それとも保守党の少数内閣か.果たして結果やいかに.


ちなみに私,どーしてもDavid Cameronが好きになれない.なんでだろ.

mt_kb2010-04-25

おいおいもう4月最終週かよ.時間たつの早すぎ.


アイスランドの噴火やベー.友達が世界各地,つうと大げさか.アメリカ・カナダやヨーロッパ各地,で足止め食らってたいへんな思いをしたそうな.食べ物の空輸も途絶えて,値段が上がったり品薄になったりたいへん.このあいだうちでまたスシパーティやった時にもマグロが手に入らなかったし.


・先週土曜にペイントボーリングやってきた(塗料の入った弾を使ったエアガンを使ったサバイバル?ゲーム→イメージ).すっごい面白かった.弾当たったら痛かったけど.


・同じく先週ハイランドに行ってきた.マシューとマシューの彼女のサラと私.特に用もなかったけど,息抜き程度にマシューの家で2泊してきた.勉強もしましたよ.


・総選挙まであと2週間.イギリス初の公開テレビ党首討論盛り上がってます.でもオーディエンスがずっと沈黙っていうやり方がアメリカっぽくってちょっとヘン.趨勢はまだちょっと読めないけど,やっぱトーリかな……


・最近は三寒四温な感じ.先週寒かったけど,土曜から暖かくなってきた.写真はしばらく前の超快晴超温暖な日に撮ったキャッスル.かっこいいと評判.

おいおいもう4月かよ……時間たつの早すぎ.


今週月曜からsummer time導入で,夜8時でもまだ薄明るいくらいになってきた.でも時期外れの寒波到来で,日中は6-7℃くらい.昨日一昨日と雪まで降った.いつになったら本格的に春になるのかな.


月曜にMurdoch先生とDickinson先生と面談(Pentland先生はこの日は都合が悪いということで,来週か再来週に面談予定).このあいだ提出した博論第5章の下書きについて.なんかすでに面談は役割分担が明確になってて,Murdoch先生はスケジュールや計画の調整役という感じで,あまり内容については突っ込んだコメントはしてこない.この先生はいつもこうで,他の学生にもそうらしい.いっぽうDickinson先生から的確で細かいコメント・アドバイス・質問がバンバン来るので,もうこの人がprimary supervisorという感じ(エディンバラ歴史学科ではいちおう第一指導教員=primary,第二指導教員=secondaryという区分がある).私自身がDickinson先生に影響を受けていることもあって,あまり彼と私のあいだで意見の齟齬というのはなくて,「ここくわしく書いてないけど説明した方がいいね」とか「こういう議論も入れたほうがいいね」というコメントに「そうっすね」「もっともです」となってしまい(いや悪くないんだけど),いつもこんな感じで面談は進んでいく.相変わらず英語に対するチェックも変態的にmeticulousで,頭が下がります.彼がいなかったらやばかったなほんと.


今回も面談の終わりに身に余るお褒めの言葉をいただいて,本当にうれしかった.彼曰く,"I'm impressed with your English. It has some very minor mistakes, but it's very clear and sophisticated. It's pretty good, better than some American students"ということだ.ほんとかよ……と思ったけど,Dickinson先生は学生にお世辞言うような人じゃないからそうなんだろう(アメリカ人にも英語下手な奴いるだろうし.私の日本語があまり素晴らしくないのと同じで).内容に関しては,ドラフトだから議論がちょっとラフだけどリサーチは良くしてるし良い史料見つけてきてるし,solidだしscholarlyだしとてもいいよ,ということだった.いやーあんた……あのDickinsonからのお言葉,これは素直にうれしいっすよ.締めの言葉は"We have no doubt about your intellectual and linguistic ability to write a thesis. But we still push you". 早めに下書き仕上げちゃおう,というメッセージ.


Dickinson先生が部屋を出てから,Murdoch先生が"Professor Dickinson is a very demanding historian. So you should be proud of that."と言ってくれた.Murdoch先生って控えめで自分の意見滅多に言わない人なんだけど,なんかこれはうれしかったな……でも最後には"But we want to read your next chapter draft soon." はい.がむばります.

National Trust Names

このサイト,めっちゃ面白いっす(注:歴史の人向け).

1881年のCensusと1998年のEconomic and Social Research Councilのデータに基づいて,イギリス全土(アイルランド除く)の名字分布を調べられるというサイト.歴史上の有名人物でも自分の研究対象の人物でも現在の歴史家でも友達でもいいので,いろいろ名字突っ込んで調べてみると意外な結果が出たりして面白いですよ.ヒマつぶしにもってこい(笑)

Scottish History Seminarでの報告無事終了.パワーポイントを初めて使ったけど,意外と簡単なんですね.パワーポイントの操作のために報告は立ってやったんだけど,わかりやすかったってプレゼンの評判もよかったし,議論はちょっとまとめることに意識が行ってあまりパンチが効いてなかったような気もするけど,まあ悪くはなかったんではないでしょうか.セミナー後はMurdoch先生その他とパブで一杯.いろいろと自分の研究の話ができてよかったよかった.


これでここ4週間で報告3本やって博論の第5章の下書き提出して,わりとがんばってる感じ.でもスケジュールから遅れてるから,気を抜いてる暇なんてないんだよな.がんばらないと.


関係ないけど,エディンバラのPhD仲間のローラとグラスゴウの友達ヴァレリーが共にポスドクゲットといううれしい知らせ.ローラはリヴァプールヴァレリーはUCLだそうだ.すげー.イギリスの大学は景気後退の波が今年・来年にどっと来てて,あちらこちらの大学であり得ない規模のリストラ(job cuts/redundancy)が断行されまくってて,はっきり言って見通しはかなり暗い.こんなに一気に潰して今後どうすんだろう,ってくらいのリストラの話があちらこちらから聞こえてくる.ポスドクも同様で,そもそも公募になるポストの数が半端じゃないくらい減っているそうだ.そんな中で身近な友達がポスドクゲットしてるのは励みになる.うん.私もがんばろ.まずPhDだけどね.

はひー,やっと第5章の下書き完了.時間かかり過ぎ.なんかいろいろ書きに書いてたらめちゃくちゃ長くなって,合計22,000文字まで達してしまった.当初の予定が14,000くらいだったので,これは超過しすぎ.長いということは余計な説明や引用が多いということだから,次に書きなおすときにはもっとすっきりさせないと.予定も大幅に遅れちゃってるし.どこかで取り戻さないといけないんだけど,この先の章もやっかいな感じだから,どうなるかな.8月中に全部下書き完成するかな.


明日はまたワークショップで20分ほどの報告.来週木曜に学会のScottish History Seminarの50分の報告を控えているので,その予行演習という位置づけ.ペーパーはこの書きたてほやほやの下書きからエッセンスを抽出して作る予定……なんだけど,うまくいくかね.来週のほうは持ち時間が長いからいいけど,明日のほうはどうだろう.


ちなみに来週の報告に向けて現在パワーポイントでスライドを作成中.なかなかおもろいね,これ.

(勉強の話.そのスジじゃない人にはつまんないかもです.)


うーむむむむむ………行き詰っております.今の章.この章では今まで見つけた民衆騒擾の「システマティックな分析」みたいなのをやろうと思ってて,願わくばグラスゴウスコットランド西部(私の博論の対象地域)における民衆の直接行動の様式・規模等の経時的変化および独自性を論証しようと思ってんだけど,なんかどうしても叙述的になっちゃうんだよなー.


とりあえずいろんな史料をひっかきまわして見つけた騒擾の全体的な数はカウントしたんだけど,数字自体を分析対象とするのは問題があるので,それを手がかりに(ってなんかうさんくさいな(笑))経時的変容,地域ごとの分布,係争の種類による分類みたいなのを最初に議論する.んでもって各分類ごとに政治社会経済宗教的背景に留意して特徴を分析して,って感じにいまのところなってるんだけど,どうしても書いてるうちに叙述的になっちゃう.ストーリー仕立てになっちゃうんだよね.いままで書いた4章のうち3つがそういうタイプの章だから慣れちゃってるのかもしれないんだけど,それだけではないような気がする.手元の史料を組み立ててそれに基づいて段落を構成して論理構造を考えたうえで書き始めると,いつの間にか叙述スタイルになってしまう.いかんいかんと気付いて書き直してますけどね.


叙述スタイルが全く悪いというわけではないんだけど,この章の目的は全体をdescribeするというよりはsurveyしてanalyzeすることだから,出来るかぎり「こういうことがあってー,んでこうなりましたー」みたいなのは避けたいんだけど,書いてるうちにそうなっちゃう.なんでだろ.書き始める前の作業が足りないのかしら.頭が悪いのかしら.まあひとつひとつの騒擾の背景→経過→顛末を掘り下げるときにはどうしても叙述せざるを得ないし,叙述まったくなしには書くことすらかなわないわけだけど,それにしてもそのスタイルが強くなりすぎちゃって結局この章もあんましanalyticalな感じがしないんだよなー.マシューなんかは「お前のやってることは先行研究ほとんどない分野で他に頼るべき文献がないんだから,背景から何から自分で書かなきゃいけないだろうし,叙述的になっちゃうのはある程度は仕方ないんじゃねーの」なんて言ってて,まあそりゃそうなんだけど(たぶん指導教員も似たようなこと言うと思うんだけど),私としてはあまり納得がいかない.どうしたもんやら.