ロンドンも今日で4日目.街とBLのデカさと人の多さにも慣れてきた.混雑している駅を歩いている時や地下鉄に乗っている時やレストランで一人で食事をしている時の感じなんかは東京にいた時とかなり似ている.なんかこう,自分の存在が周りにまぎれているというか.匿名的で無表情で無関心で無感情な感じ.これはこれで悪くはないけれど.


昨日はなぜか18世紀セミナーの開始時間を6時からと勘違いしてて,けっきょくミスってしまった......恥ずかしい.6時からなのは今日の日本人の友達との夕食だった(それは7時からに変えてもらったけど).だいたいエディンバラでもセミナーは5時15分からなんだから,6時のはずはないんだよな,良く考えてみれば.6時ちょっと前にウェブサイトで気付いた時には時すでに遅し.45分遅刻していくとかありえないので,そのままBLで8時まで勉強した.


ちなみにBLでは手稿史料室を初利用.リサーチをする部屋はサイズもほどほどで,私のイメージする「アーカイヴ」にかなり近い感じで落ち着く.カタログや索引の使い方をスタッフに聞いてみても,わりとフレンドリーでいい感じ.史料も出てくるの比較的早いし,悪くない.ただあんまりここで見るべき史料は多くなくて,ここでのリサーチはあと2時間程度で終わりそう.


友達のところを出て昨晩からKing's Crossのすぐ近くのArgyll SquareにあるMacdonald Hotelという安いホテル/B&B(Bed & Breakfast)に泊まっている.このArgyll Square周辺にはホテルやB&Bがけっこう集まっていてちょっと迷ったんだけど,決め手は何と言っても値段.場所を考えると一泊35ポンドというのは悪くないと思う.あとは名前.スコットランドっぽいし.スコットランド人が経営してるかも,とちょっと淡い期待を抱いて行ったら,ぜんぜん違って残念.イタリア人だった.まあいいけど.全体的に古臭くて素敵でも快適でもないんだけど,まあ清潔だし掃除はきちんとしているし,値段を考えるとオーケーという範囲.ここでは寝るだけだしね.


今日はTNA,国立文書館でリサーチ.雨が降ってるけど仕方ない.夜はロンドンのJapanese Historiansとお食事.

mt_kb2010-01-13

ロンドンは今日は雪.


昨日は最初にThe National Archives(国立文書館),そのあと5時くらいにBLに戻って閉館までリサーチ.最近は書きモードだったので,これだけ集中的にリサーチするのはけっこう久しぶりで楽しい.TNAも初めてだったけど,全体的な印象はBLよりはるかによかった.外から見た建物はすごくでかくて要塞みたい.リーダーズチケットはすぐ発行されるしアイテムが出てくるのは(比較的)早いしスタッフは(比較的)親切だし.悪くない.そしてデジカメ利用可なのが本当にうれしい.


昨日はState Papers Scotland(国務文書)というのを読んだ.これはエディンバラゼロックスの白黒逆転コピーがあり,一応エディンバラでも読めるんだけど,画質は悪いし,コピーが作られたのがいつだかアーキヴィストもわからないという代物である.ロンドンのオリジナルは1996年に詳細なカタログと索引がつけられた際に史料番号も改められ,加えてそれまでリスト化されていなかった史料も含まれたので,やはり現物を見なければという判断で見に来たわけ.実際私の修論は新しく作られたカタログ(お借りしたもの)をフル活用して,その結果いままで使われたなかった史料をたくさん見つけることができたのだ.昨日もぜんぜん研究のないいろいろな暴動や紛争の史料が見つかったので,グラスゴウ関連のものはできるだけ全部読んでノートを取ったんだけど,グラスゴウ以外=修論に直接かかわらないものもたくさんあったので,デジカメで撮影しておいた.そのうち使うことになると思う.


今日は一日BLでリサーチ.雪も降ってるので,電車で30分,駅から歩いて10分くらいかかるTNAには行きたくない.それと夜は歴史学研究所というところのセミナーに参加する予定.それと日曜から今日まで友達の家(Sigmund Freud Museumの2軒となり,めちゃposh)に泊まっていたんだけど,今日からは友達の両親(フランスの別荘でヴァケーション中)がゲスト付きで返ってくるので私が寝れる部屋がなくなり,ホテルに泊まることになっている.あんまりぜいたくは言わないけど,清潔なホテルだといいな.

昨日はBL(British Library=英国図書館)で一日リサーチ.いやいや,広い,でかい,新しい,人が多い.史料が出てくるのにもあまり時間はかからないし,効率的で悪くないんだけど,なんとなく落ち着かない感じ.スタッフもあんまりフレンドリーじゃないし.すぐに慣れるといいんだけど.6時くらいに火災報知機が誤作動して建物から追い出されて,30分近く上着なしで外に立たされて,戻った後も20分くらいreading roomが空かなかったので,結局1時間くらい損をしてしまった.


貴重書史料室(というとすごく小さくて狭いところを想像するかもしれないけど,めちゃめちゃでっかい部屋,部屋というか巨大な空間)でリサーチしてたら知り合いの日本人研究者に会って,他の日本人との食事に誘われたので,夕食は日本人4人と一緒にとった.日本人5人だけで食事なんて,エディンバラではまず考えられない.ロンドンに来てるんだなぁというのを実感した.ちなみに今はFinchley Roadというところにある友達の家に泊まっているんだけど,ここでも本当に日本人をよく見かけるし,日本人向け不動産やら日本食レストランやらがあって驚いてしまう.


今日はまずNational Archives(国立文書館)に行って,時間があったらBLに戻る予定.National Archivesはどんなんなんだろう.興味津津.

いまBLにいるんですけど......


なんかすげーところだなここは.でかくて広くて人がいっぱいいて......圧倒されそう(笑)スタッフは不親切だしシステムやややこしいし,オーダー方法を把握するまでに1時間以上かかってしまった.いかにエディンバラがのどかな場所かよくわかります.


がんばろ.

11月までは「今年は暖かいねー」なんて言ってたのに,12月に入ってから本格的に寒くなり,12月後半からはもう本当に寒い.毎日最高気温は0〜-2℃,最低気温は-5〜-7℃.雪もよく降るし,降っても気温が低いのでなかなか溶けない.スコットランドだけじゃなくて実際この冬はここ30年で一番寒いという話です.ニュースも天気関連のばっかりで,雪による交通障害,最低気温更新(ハイランドでは-22℃),エネルギー使用量の記録更新,などなど.雪と寒さでイギリス中真っ白になっている.



エディンバラの一般的な古い建物(traditional tenement)は天井が高いうえに窓が二重窓ではなく,そのうえ建てつけが悪いため,家の中が本当に冷える.エディンバラよりずっと寒いハイランドにいた時は家の中が本当に暖かくて,あまり寒いという感じはなかったので,エディンバラにいる方が寒く感じるというのはおかしな話である.このエディンバラの家屋の建てつけの悪さにはみんな文句を言ってて,3人集まるとどんなにエディンバラの家屋が酷くて外国の家が暖かいか,という会話が始まる.まあ例年ならなんとか大丈夫なんだけど,今年はかなり厳しいです.


私のフラットも天井が3mちょいある上に窓が大きいので,かなり寒い.暖房をつけないと凍えてしまう.光熱費が心配だ......それでも友達に言わせれば,うちはまだましな方らしい.それとこの寒さのせいかどうか知らないけど,4-5日前から腰痛がひどい.しばらく前にやった腰痛にかなり近い感じ.前の時は修論提出直前で,明らかに座りすぎと運動不足が原因だったけど,今回のもそんな感じ.最近ジョギング行ってなかったからかな.治ったらもうちょっと身体を動かさないと.


明日から1週間ほどロンドンに行ってリサーチの予定.寒い寒いエディンバラを離れて暖かいロンドンへ......と思ったけど,ロンドンはロンドンで寒いみたいね.果たして電車が予定通りに運行するだろうか......しないだろうな.

ここ数日,友達のあいだで話題になっている記事.

Nearly six years ago, I wrote a column called "So You Want to Go to Grad School?" (The Chronicle, June 6, 2003). My purpose was to warn undergraduates away from pursuing Ph.D.'s in the humanities ... It was a message many prospective graduate students were not getting from their professors, who were generally too eager to clone themselves. Having heard rumors about unemployed Ph.D.'s, some undergraduates would ask about job prospects in academe, only to be told, "There are always jobs for good people." ... The reality is that less than half of all doctorate holders - after nearly a decade of preparation, on average - will ever find tenure-track positions.

6年ほど前,私は「それでも院生になりたい?」というコラムを執筆した.そのコラムは文学部の学部生に対して院には進まないように,という警告を意図したものだった.……院志望の学生の多くは,指導教員からこうしたメッセージを受けることはない.教員というのは得てして弟子を持ちたがるものだからだ.仕事のない博士号取得者のうわさを聞いた学部生たちが学問の世界における就職状況について教員に尋ねたとしても,「できの良い学生には就職はあるものですよ」と言われるだけなのだ.……だが実際は,博士号取得者の半数以下しか,テニュアつきのポストを得ることはできない.平均して約10年もの準備期間を経たにもかかわらずだ.


率直でいいと思う.Interesting.


PS
こんなのもありました.アメリカの話だけど.

The number of job openings in history plummeted last year, even as the number of new history PhDs soared. As a result, it appears the discipline is entering one of the most difficult academic job markets for historians in more than 15 years.

公募のあった歴史のアカデミックポストの数が,新しく授与された博士号の数が急増したにもかかわらず,昨年激減した.その結果,歴史家を目指す者にとって今年はここ15年あまりで最も就職が厳しくなっている模様である.

こういうのをはっきり数字で出すのってすごくアメリカ的.日本ではこういう話題って完全にスルーされちゃってるというか,誰も話したがらないというか,臭いものにはフタ的感じで,相当悲惨な(あくまでも聞いた話では,だけど)現状にもかかわらず/だからこそ,議論にすらなってないのではないでしょうか.それってあまり健全じゃないような気がします.私が無知なだけで,私の知らないところで大学の教員たちが真剣に考えていて対策を練っているとしたら,歴史家を目指す院生としては本当にありがたいのですが......

晦日の夜はホグマニー(Hogmanay)というイベントに参加し,2010年はPrinces Streetで80,000人の群衆の中で迎えました(イメージ).フラットに帰ったのは朝の4時でした.疲れました.


なにはともあれ謹賀新年.今年もよろしく.