維納見聞記

mt_kb2009-10-09

欧羅巴旅行より以丁堡に帰素せり.行先は維納なり.今回の欧羅巴旅行の主要目的は墺太利国立歌劇場に於いて彼の小澤征爾氏総指揮の下に催るる歌劇「エフゲニー・オネーギン」の観覧なり.小澤氏の名声欧羅巴歌劇界に遍く轟き,尚且つ此の機会を逃さんと日本人観光客大挙して遥々来墺なれば観劇券の入手困難を極めたり.なれど地元住民及び我友の仏蘭西人エマヌエルの助言を得て苦闘の末漸く観劇券を入手せり.


国立歌劇場に於いては豪華絢爛たる内装壁画天井画,盛装せし欧羅巴紳士淑女の優雅なる佇まいに圧倒されたり.歌劇始まりてもその斬新なる舞台芸術,主演男優主演女優の眩い美貌堂々たる美声,加えて小澤氏に指揮されし維納交響楽団の奏でる魂を揺さぶるが如き極上の音色に大変なる感銘を受けたり.我漸くにして欧羅巴文化の真髄の一端を垣間見たり.必ずや墺太利国立歌劇場を再訪し歌劇を堪能せんことを固く誓いたり.以丁堡にても斯様の如き上質なる歌劇の観覧可能なれば如何程ばかりの喜び哉.


(なんかはじめてヨーロッパに来た明治時代の人みたいな気分になったので,それを文体的に表現してみました.)