Did Scottish thinkers invent the modern world ?

先週からずっと気温が10度前後と,最近は比較的暖かい(今日はちょっと寒かったけど).日の沈む時間もだいぶ遅くなってきて5時半くらい.徐々に冬が終わり始めてきている感じ.


今週はなんつーか普通の週.日々アーカイヴに通ってせっせとお仕事しております――と思ったんだけど一つイベントあったなそういえば.火曜にDevine先生が所長を務めているディアスポラスタディーズ・センターのイベントがあって,その名も「スコットランド人思想家は近代世界を生み出したか?」というもの.「ねーよwww」というツッコミが速攻で返ってきそうなもんだけど,実はこのイベントのベースになるのは2003年にアメリカでベストセラー(New York Review of Booksでトップになったらしい)になったアーサー・ハーマン『スコットランド啓蒙――スコットランド人による近代世界の発明――』で,それについてまあ討論してみましょうというもの.

The Scottish Enlightenment: The Scots' Invention of the Modern World

The Scottish Enlightenment: The Scots' Invention of the Modern World

(ちなみにその後違う版元から出たペーパーバックのタイトルはHow the Scots Invented the Modern World: The True Story of How Western Europe's Poorest Nation Created Our World and Everything in It. これはちょっと笑える)


今更かよ,という感もあるけど,その事情はディアスポラセンターが去年できたということによる.このセンターはお金があるもんだからこういうイベントをたくさん開いているんだけど,ひとつひとつのテーマはやはりハデにデカく設定している.私の友達がこのセンターのresearch studentなもんだからいろいろと事情を聞いているんだけど,ネタを持ち込んだりオーガナイズするのは彼らであることが多いようだ.デイヴなんか学会ひとつのオーガナイズまるごとまかされてるし.日本のCOEにちょっと似てるけど,院生がかなり絡んでいるのが違う点かな.


でまあイベント自体はHermanの本がアカデミックな観点から言うとダメダメな点が多いしパネルは一流の研究者だったので,その辺に議論は集中した.さもありなん.パネル的には,スコットランド啓蒙って言うけどヨーロッパとの人的文化的思想的つながりはどうなのよとか,そもそもスコットランド啓蒙が思想史的に超innovativeだったかどうかは議論の余地ありとか,っていうかスコットランド啓蒙って一体なんなのよとか,やはりコンテクストを重視する,あるいは相対化に留意するところがポイントのようだった.ふむふむ.


スコットランド啓蒙ってこちらでもものすごく研究者は多いんだけど,同じように日本でもやってる人はすっっごく多い.私が7月に報告する18世紀スコットランド学会なんかは日本人の会員がかなりいるし.私は(少なくとも博論のテーマでは)啓蒙入ってこないしほとんど素人なんであまりよくわかんないけど,こういう↑議論って日本でもやってるもんなんだろうか......


ちなみにこのイベントは予約制で,前日まで忘れていた私は学科の秘書のアンに「なんとかして入れて!」と頼んだら,「席を見つけてあげるからちょっと手伝って」と言われて,会場でドア係&通行整理を任されてしまった......でもその代りに来週お昼おごってくれるらしい.やったぜぃ.