エディンバラ珈琲事情 part 1

今日は土曜で休日.買い物ついでに街中を散歩していたら,なんとコーヒー専門店を発見.エディンバラに来て7ヵ月経つが(うお,もうそんなか)初めて見つけた.というより,どーせスコットランドじゃまともなコーヒーなんて飲めんわい,と諦めていたので,あまり真剣に探していなかったのだ.で入ってみると,どうやらcoffee & tea specialistということらしい.狭い店内にはコーヒー紅茶のbrewing goodsが並び,豆もカウンタのボックスに入れてある.店内を見まわしても焙煎機はないので,どうやら他の場所で焙煎して豆を置いているようだ.


とりあえず試しに豆を買ってみることにした.前からエスプレッソメーカーが欲しかったのでそれも一緒に.マスターらしきおっちゃんがカウンタで陳列品の埃を払ったり黙々と帳簿をつけたりしているが,一見さんやツーリストっぽい客には目もくれない.この愛想の悪いおっちゃんに,会計お願いします,とメーカーを渡し,豆も欲しいんですけど,と言うと,眼鏡の奥でおっちゃんの目が「なんだって?」と言わんばかりにキラリと光る(笑).エディンバラなまりの英語でひととおり説明を受けて,エスプレッソにはどれがいいですか,と聞くと,うちのオリジナルブレンドがあるよ,と言うのでその豆を100g購入.エスプレッソメーカーと計量用スプーンと合計で£12.35也.


「どうだい,いい香りだろう」
「そうですねぇ.ところでエディンバラにはコーヒー専門店はあまりないですね」
「そうだねぇ,あまりないねぇ.この辺ではうちくらいだね.豆は挽くのかい?」
「お願いします,エスプレッソ向きで」
「じゃあ細かくしないとな.ちょっと待っておくれ」


実はお店はあまり人気店という様子ではなく,並べてある豆も種類は少ない上にあまり新鮮ではないように見えた.でもこういう職人気質風のおっちゃんに弱いんだよなー俺......いろいろと包んでもらって,最後におっちゃんにとびきりの笑顔で"Thank you very much, indeed."なんて言われると,今日買った豆がおいしくなくてもまた来ようと思ってしまう.案の定,フラットに帰ってから淹れたエスプレッソの味は良くもなく悪くもなくだったんだけど,また行っちゃうんだろうな.


「すみませーん,このあいだのブレンドもおいしかったけど,他のも試してみたいんですが......」




Cuttea Sark
26 Victoria Street
Edinburgh, EH1 2JW

ps
ちなみにこの店名にピンときたあなた,19世紀イギリス航海史の知識が豊富or帆船マニアorウィスキー好きのいずれかでしょう.ちなみに私がこの名詞をはじめて目にしたのは村上春樹の小説でしたが......